Pet Dog Training TIPS Vol.1 VOL.15
2003
トレーニング哲学

 トレーニングの哲学は大きくふたつに分けられます。
 強制訓練は、他に「嫌悪刺激によるトレーニング」、「力によるトレーニング」、「試して罰するトレーニング」などとして知られています。こういった表現は、犬にある行動をさせようとトレーナーが使う方法を表しているのです。

 「トラディッショナル(伝統的)トレーニング」という言葉を耳にすることもあるでしょう。これは多くの古くからのトレーナーが強制的な方法を使っていて、今もそれを続けているという一般的な状況を表したものです。「ジャークとポップのトレーニング」とは犬を正しい位置につけるため、もしくは望ましくない行動を矯正するために、チョークチェーンでグイッと引っ張ることを意味します。強制訓練というのは通常、犬には選択肢がなく、飼い主の望むことを強引にさせるという事です。犬によっては望まれていることを理解しますが、そうでない犬もいます。犬は自分が何をしているか理解していなくても、そうすることを強いられるのです。

 強制訓練の例をあげます:トレーナーが、まったくトレーニングされていない犬に対し「オスワリ」とコマンドを言います。そして強制的にオスワリさせます。トレーナーは「マテ」とコマンドを出し、犬が待っているかどうか後ろにさがって試します。犬が待っておらず位置を変えると、トレーナーが犬のところへすぐに戻り、もとの位置に戻します。犬は今起きた事が望まれていることだと学習するかもしれませんし、混乱する犬もいるかもしれません。怒る犬もいるでしょう。トレーナーを怖がるようになる犬もいるかもしれません。

 動機付けトレーニング:多くの犬のトレーナーは議論の少ない方法を用います。この動機付けトレーニングは、「誘導トレーニング」、「陽性トレーニング」、「報酬を使った方法」などとして知られています。トレーニングのエクササイズは、犬がそれをしたいように設定します。犬はご褒美のために動き、飼い主からご褒美を出させようと飼い主をトレーニングしている気持ちになります。実際には飼い主が先回りして考え、犬の学習過程をコントロールしている事に犬は気づきません。報酬を用いるトレーナーは、不適切な行動を止めさせるため、好まし問題となる行動と相反し、それに取って代わるような好ましい行動を教えます。こういったトレーナーは選択可能な状況を設定し、犬が「正しい」選択をできるようにしむけるのです。これはより自然で、優しく、常識的な犬をトレーニングする方法です。正の強化と消去は、こういった形のトレーニングではよく用いられる手法です。

 報酬に基づくトレーニングのエクササイズの例
 トレーナーは、犬を美味しいフードに集中させます。そのフードを犬の頭のてっぺんに持っていきます。もらえることを期待し、犬の目がそれを追うと、自然とお尻は地面につきます。もし何からの理由でお尻が下にさがらない場合は、もう一度やってみれば良いのです。何をしろ、と言われたわけではないので、犬が不服従だったわけではありません。トレーナーが犬と遊んでいるだけです。後からこの座るという行動をキューと結びつけます。しだいに犬は誘導や毎回のご褒美なしでも、キューで座るようになります。この方法だと、嫌悪刺激を避けようと行動をするのではなく、自分が望んで行うため正しく行動できることが多くなります。 イラスト


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