Pet Dog Training TIPS Vol.1 VOL.13
2003
人と動物の絆、動物介在療法

 犬は人間に対し偏見を抱かず、寛容で、人間同士のような腹の探り合いもしません。犬と人はお互い良い関係にあります。私達の多くが自分の経験から犬と暮らす事の良い点について語ることができるでしょう。私達が信じている事の多くを裏付けるデータというのが存在します。いくつか例をあげます。
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 犬が病院や養護施設などの介護施設を訪れるとその間は、他の「療法」や娯楽時間に比べて、患者達がよりよく笑い、お互いに関わり合いを持つようになるとの研究結果があります。他人とのコミュニケーションが増え、記憶が甦ることで精神的な刺激を受けるのでしょう。動物の存在は気持ちが沈んでいる時には雰囲気を盛り上げ、人々の感じる隔離感や疎外感を和らげてくれます。寂しさや無力感も軽減されることが証明されています。感情的に安定したコミュニケーションが可能なため、人と動物は親密な関係を築くことができます。人を頼る動物の存在が、失意にある人に生きる意志を与えたり、朝起きる理由になったりするのです。子供の療法に犬を組み入れるプログラムが一般的になってきました。犬が子供の精神科カウンセラーや小学校の読書の時間の手伝いをしています。ペットが家族の一員だとみなされている家庭の子供は、ペットのいない家庭の子供より共感的になると言われています。子供が成長するにつれ、動物に共感できる心がそのまま人間との関係に活かされます。人と動物の関係がもたらす効果についての研究に基づく情報が、東京にある日本動物病院福祉協会から入手できます。世界に広まりつつある2つのプログラムの定義です。

◎動物介在活動(AAA)

 動物介在活動は、意欲を高める・教育・レクリエーション・身体に良いなど生活の質を向上させるためのものです。AAAは経験豊富なプロまたはボランティアと特定の基準を満たした動物によってさまざまな環境で行われます。典型的な動物介在活動は、気楽な雰囲気の中での訪問活動で、家庭犬達が一瞬芸などを披露し施設の居住者を楽しませます。AAAは、関わるすべての人達の気持ちを明るくする非常に価値あるプログラムです。訪問する側される側双方に話題を提供します。

◎動物介在療法(AAT)

 動物介在療法(AAT)はAAAに比べより正式なものです。特定の基準を満たした動物とハンドラーが、治療過程に欠かせない一部となります。AATは目的に沿った対象となる人間の健康管理であり、その経過は測定され患者の記録に残されます。

 このような活動に興味があるなら、自分の犬を良い市民そして家庭内やご近所で良いペットにするためにトレーニングをしましょう。すべての犬とすべての良い家庭犬の飼い主が養護施設などへの訪問に向いているわけではありません。犬はもちろん飼い主の言うことに従うようでなければなりませんが、安定していなければなりませんし、滑る床、車椅子、見知らぬ匂いなど変わった環境に対して不安がるようなタイプではいけません。飼い主はさまざまな障害を見きわめる目を持ち、居住者達と適当な接し方を知っておく必要があります。

 こういったプログラムには多くの準備と苦労がつきものです。賞賛の多くは、プログラムを実行し、良い犬と飼い主の選択をし、彼らへトレーニングの手助けをした少数の個人に与えられます。AAAとAATが安全に成功裡に実施された時、何かをうまく成し遂げたということで、関わったすべての人達が達成感を得られます。


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