Pet Dog Training TIPS Vol.1 VOL.12
2003
新しい犬を迎える

 犬を飼うのは魅力的です。いずれ新しい犬を迎える日が来るかもしれません。二頭目の犬を迎え入れる時に、よくあげられる理由をいくつか紹介します。

楽しみが今の倍になる

 二頭目が加わることで、必ずしも楽しみが二倍になるわけではありません。犬と過ごせる時間とそれまの犬と自分の関係のバランスを崩してしまう可能性もあります。

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うちの犬には遊び友達が必要だ

 多くの犬にとって他の犬の存在は嬉しいものです。しかし放っておいてもお互いが自然に遊びだすわけではありません。また同時に他の犬の存在が、人間の家族と過ごす時間の最良の代わりとなるわけではありません。犬によっては新しい犬を侵入者とさえとらえます。

二頭目が先住犬の分離不安を和らげる

 新しい犬は先住犬の悪い癖を真似します。先住犬の抱える問題の原因となった環境を変える必要があるかもしれません。そうでないと、次の犬にも同じ影響を与える可能性があります。先住犬のリハビリになるどころか、しばしば二頭の問題犬をかかえることになってしまいます。

子犬を産ませたい

 二頭目の犬が加わることで避妊・去勢の重要性がさらに増します。未去勢の犬は他の犬や飼い主と問題を起こしやすい傾向にあります。愛犬と同じような子犬が欲しいという思いで繁殖をするのなら、犬の性格形成は生まれつきのものとその後の環境によってできあがるものです。ですから産まれた子犬が、愛犬と同じような犬になる保証はありません。繁殖は専門家に任せるのがよいでしょう。

子供に経験と責任感を持たせたい

 確実に言えることですが、子供は犬から多くの事を学びます。そしてそのほとんどは良いことです。子供を繁殖や出産という場面に立ち会わせたり、子供に生き物の世話をさせるということに関して言えば、刺激の少ない他の方法というのがあります。犬の一生に関わる責任を子供は負えないし、また負わせるべきではありません。

 二頭目を飼うことでおこる可能性のある不利な点を考えたら、次はその犬が問題になるリスクを減らすことを考えます。

家族と暮らす先住犬達がよくトレーニングされていて、環境に順応していること。
先住犬よりも若く、逆の性別の犬が通常は最適です。可能であれば、新しい犬が家に来る前に、その犬のおもちゃや寝床と使っている布の一部を持ち込んでおくのがよいでしょう。こうすることで先住犬が新しい犬の匂いに慣れます。
新しい犬を家に連れてくる前にお風呂に入れます。これは先住犬がその犬の匂いに萎縮しないためです。その新しい犬が保護施設などから来る場合には特に役立ちます。
他の犬に対し無関心であるとかまたは逆に反応するようなら、最初の対面は中立の場所、例えばどちらの犬も行った事のない公園などを選ぶべきです。ロング・リードを用いて対面させましょう。お互いが相手に対して取ろうという姿勢を、リードで邪魔しないようにします。飼い主としては中立的もしくはリラックスした態度でいます。安全に二頭を会わせるには、金網の向こう側とこちら側でという方法があります。テニスコートのような場所です。対面の儀式中には、落ち着いて、深呼吸をし、楽しいことを思い浮かべましょう。そして犬をじっと見つめない事です。
飼い主としてはそれぞれの犬と個別に関わる時間を持つようにしてください。数分のトレーニング、短いお散歩やドライブなど、それぞれの犬と行います。個別に関係を築き、それを維持しないのであれば、コンパニオン・アニマルでなくただのペットという関係で終わってしまいます。さらに、お互い離れている時間があるのが自然だということを、犬達に対して教える事ができます。
例えば骨、噛むおもちゃなどの大事なものをめぐり犬同士で小競り合いを起こす事があります。犬だけを残して出かける時には、この点にも配慮しましょう。

 たくさんの犬と生活するというのは、たくさんの子供と暮らすのと同様に、素晴らしい事です。しかし1人加わるごとに家族全体に大きな影響を与えるものです。犬の行動を理解し、事前に計画を立て、慎重に新しい犬を選び、そしてもちろんトレーニングをすることが、家族みんなの幸せにつながります。


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