Pet Dog Training TIPS Vol.1 VOL.11
2003
レトリーブ

 私達がよく好んで行うゲームには、レトリーブの要素を取り入れたものがあります。愛犬に「フェッチ(持って来い)!」を教えたいと思いませんか?これからクリッカーを使って上手に教えられる方法をご紹介します。

 これはバックワード・チェーニング(行動の逆連鎖)と言われる方法で、最終的な行動から始めて、次第にその前の部分を教えていくものです。もしこの方法があまり好みでない場合には、他の行動を形付けていったように、レトリーブも同様に段階を踏んで教えましょう。
illustrationレトリーブ

 ダンベルでも他のものを使っても構いませんが、木製のだぼ(※1)を使うとうまくいきます。適切な大きさの選択に関してはインストラクターからアドバイスを受けるのも良いでしょう。

 犬をオスワリさせ、口の中にだぼを入れます。私達が口の中に入れるのはいつも良い物だから、おそらく犬は受け入れるでしょう。犬が口をしっかり閉じてしまうようなら、歯ブラシをかけるようなつもりで、だぼで前歯を上下にこすります。こうするとたいてい口の中に入れることができます。すぐに口から出してしまっても問題ありません!成功です!これが「フェッチ」の最終的な行動だからです。クリックし、ご褒美をあげます。犬の口にだぼを入れる時や手に返してもらう時にも何も言いません。これを簡単にそして楽しくできるようになるまで続けてください。

 次ですが、犬の口にだぼを入れすぐに(犬が口から出してしまう前です!)、「ギブ(出して)」と言います。だぼを口から出している時にクリックし、ご褒美をあげます。これも飼い主と犬が円滑に楽しくできるようになるまで続けます。

 次は、「ギブ」という前にほんの1秒待ちます。だぼをくわえていたら、「ギブ」と言い犬がだぼを出している時にクリックし、ご褒美をあげます。犬がキューの前に出してしまったら、もう一度トライしますが、重力の助けを借りましょう。アイコンタクトをさせることで頭を後に下げさせ、あごの下を軽く撫でたりさすったりしましょう。これは大きなステップですよ!その手助けがなくとも安定してくわえていられるようになるまで繰り返します。

 一度に一秒くらいずつしだいに時間を延ばします。時間を短くしたり長くしたりしながら最長5秒まで延ばしましょう。うまくできるようになったら・・・
「フェッチ」という言葉を足します。鼻先すぐのところにだぼを持ちます。
口をそれにつけるか、だぼに向かって頭を寄せただけでも、「フェッチ」と言いクリックしご褒美をあげます。犬がいつもだぼに触れ褒められるようになるまで、しだいに要求を高めていきます。犬がだぼに向かい口を開けて近づくようなら、ゴールは近いです!

 ここからは犬にだぼをくわえさせる段階です。
もしかしたら自然にするかもしれませんが、重力の助けを借りるのならそれでも構いません。注意深く見ながら、くわえたらすぐにクリックしご褒美をあげます。鼻先に出しただぼを安定してくわえるようになるまで繰り返してください。

 次は犬の鼻先にだぼを置くのではなく、すこしずらしてみたり、高いところや低いところへ出してみましょう。次にすることはわかりますね。クリックでご褒美です。

 だぼをとるために一歩でも前に踏み出してくるようであれば、大進歩です!この
後の手順は:
「テイク(とって)」(犬がくわえたら、あなたはほんの少し手を隠し、また手を戻します)だぼを手に戻してくれたらクリックしてご褒美をあげます。

 床に置けるようになるまで、だぼを出す位置を徐々に変えていきます。問題があったらまず箱の上に置いてみるとか、犬にとって慣れた形に近いように手を添えてみます。この手は次第になくしていけばいいのです。

 犬を待たせて届かないところへだぼを置くか、手の届かないところへ投げて走って取りに行かせることもできます。ひとつは動かないだぼ、もうひとつは楽しく追いかけるだぼですが、そのどちらも持って来られるようにすることは大切です。

用語の解説
(※1)だぼ=角材などの木片


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