Pet Dog Training TIPS Vol.1 VOL.4
2003
ポチ リードを引っ張らないで!
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 通常リードをつけて犬と散歩をするには、二つの方法があると思います。ひとつはヒールポジションといわれる人間のそばにぴったりとついて歩く方法で、これは短い距離には良いでしょう。犬は飼い主に注目しながら、触れない程度で人間の足の出来るだけ近くを歩きます。これは特に人通りの多い道やコントロールが必要とされる危険な場所では適切な歩き方です。そうでないところでは状況が許せば、犬らしく臭いをかいだり周りを探索しながらリラックスして歩かせてあげましょう。この場合犬は飼い主の左右どちら側について歩いても、若干前に出たり遅れたりしていても構いません。リードを引っ張らない限り、ルールはできるだけ少なくします。

 犬にリードを引っ張らないことを教えるにはたくさんの方法がありますが、今回は簡単なものをひとつご紹介します。特に子犬に良いのですが、成犬にも有効です。リードを引っ張ってもどこにも行けないということを犬が自ら学ぶという方法です。

 ポチが前にグングン進みリードが張ってしまったら、立ち止まってください。リードが張っているとどこにも行けないということを、犬はすぐに学習します。ポチが電信柱につながっていて、その電信柱が飼い主であるあなただと思ってください。言葉は何もかけませんし、動きもまったく止めます。飼い主がついて行かなければ、犬はおそらくどうしたのか不思議に思い振り返るため、リードにたるみがでます。その時のアイコンタクトが「スイッチオン」のボタンです!電信柱が人間に戻り、何よりも楽しい存在となってください。微笑み、褒め言葉をかけお散歩を続けます。

 ポチの名前を呼んでリードがゆるむのを手助けしても構いません。飼い主を見るとリードがゆるむので、そこで「スイッチオン」です。少し進む方向を変えて、ポチがあなたと一緒にいたくなるよう楽しげに歩きます。もしまた注意がそれリードが張ってしまったら、リードをゆらしてみます。いったん多少バランスを失いますが、おそらくすぐにあなたのことを見るでしょう。アイコンタクトで飼い主の確認をするのは、犬が自らの責任で行うのがベストです。飼い主が犬に引っ張りを止めさせ注目をさせようと一生懸命になりすぎると、今度は別の間違った行動が出てきます。つまり引っ張れば、飼い主が「スイッチオン」になるということです。では、犬の視点で見てみましょう。ポチはリードを引っ張り何かに気がそれているとします。あなたはそこでポチの注意を引こうと食べ物を取り出します。ポチは食べ物に引かれてあなたに注目します。始めはこれでも良いでしょう。しかし犬が自らの意思で飼い主に注目をしたことでご褒美が出る、という形のほうが好ましいのです。飼い主は犬に予想のつかない、周りの環境よりも楽しい存在でいましょう。リードがゆるんで飼い主を見たら、隠していたおもちゃで遊んだり、手品のように取り出した食べ物のジャックポットを与えたり、飛び跳ねてみたり、引っ張ってどこにも行けないことよりも楽しい何かをするのです。

 飼い主と犬が共に散歩を楽しめるよう、リードを引っ張らずに歩くことを教える他の方法を今後も随時紹介していきます。どの方法が最適なのでしょうか?これには正しい答えはありません。人間も犬もまた彼らをとりまく環境もすべて異なるのです。飼い主としては、自分達にどの方法が一番合うのかを見つけるためいくつの方法を試してみるのが良いと思います。これが犬のトレーニングの楽しいところといえるでしょう。


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