Pet Dog Training TIPS Vol.3
<2005>No.8
XXXXXX Excellent!
「その調子!続けて」というシグナル

 動機付けによる犬のトレーニングが、主流になりつつあります!
これは良い流れですね。どんなことでもトレンドにはまりやすい人は、情熱に流されやすいものです。私達のように犬のトレーニングに科学を用いている人たちの中には、物事を複雑にしてしまう人もいます。

 日々、これまであった考え方に新しい名前がつけられていたり、もう当たり前と思ってしていたことが、あらたな専門用語とともに紹介されたりしています。
以下はすべて最近同じことを表現するために使われている言葉です。

 ◎キープ・ゴーイング・シグナル
 ◎インターミディエート・ブリッジ
 ◎ターシアリィ・リンフォーサー
 ◎ブリッジ・アンド・ターゲット・トレーニング
 ◎アドバンスト・クリッカー・トレーニング

 これらの表現を使うことは何を意味しているのでしょう?

 「キープ・ゴーイング・シグナル」は犬が正しいことをし続けている時に、それが正しいことだというシグナルを犬に伝えることです。今していることは正しいので、それをそのまま続けなさいという意味ですね。何を意味するかというと、私達が望んでいる行動により近づいている、そのまま続けてということです。

 キューは口頭でも、目に見えるものでも構いません。「オイデ」が良いエクササイズの例かもしれません。キューの始まりに、「オイデ」と声をかけます、犬がその行動をとり始め、こちらへ向かって来はじめました。キープ・ゴーイング・シグナルを使うのはまさにこの時です。「そう、そう、そう」などと、そのエクササイズが完結する、つまり呼んだ人のそばに来るまで声をかけ続けることです。アジリティでいえば、犬がドッグウォークを登り始めた時です。犬がコンタクト・ゾーンに足を乗せた瞬間から、「ゴー、ゴー、ゴー」と、ドッグウォークの終わり部分のコンタクト・ゾーンにたどりつくまで声をかけ続けることです。

 私が最初にこういったキューのことを聞いたのは、約20年ほど前ケイス・カバーという人からでした。彼女はこれはシン・アリア・トレーニング・システムと呼んでいます。もともとは主に動物園やサーカスの動物トレーニングに使われいて、犬のためのものではありませんでした。数年前にレガシーで開いたセミナーでこの方法を紹介し、「キープ・ゴーイング・シグナル」としてExcellent(エクセレント)という言葉が紹介されました。

 例えば、犬を数メーター先にあるターゲットに鼻をつけさせるために、完成行動に近づいていくと、そのキューを出すのです。ターゲットを見つけてそれに鼻をつけるという行動を知っている犬には「タッチ」という言葉をかけます。トレーナーは「タッチ」と声をかけ、すぐに「xxxx(日本語ではそう、そう、そうのような言葉)」をかけ始めます。キューに対して完成に近い行動を見せているあいだ「タッチ」が完成するまで、続けて声をかけ続けるのです。

 言葉による「キープ・ゴーイング・シグナル」は、1秒間に平均的に7回から8回出します。犬がターゲットのそばに近づいたら、X(そう)の音はより強く(シャープに、素早く、大きく)なります。犬がエクササイズ完了、つまりターゲットにタッチしたら「x」の音は最後に「エクセレント(そうだ、いい子だぁ!)」という言葉になります。これでターゲットにタッチするというエクササイズは終了ということになり、犬はご褒美を期待します。クリッカーでトレーニングされた犬も同様ですね。クリッカーの音がエクササイズの終わりを表し、ご褒美が出る約束になります。第1次と第2次強化子を用いているわけです。

 「xxxx」をかける声を小さくすることで、望む行動から離れていっているということを意味します。そうすれば自分で行動を修正するチャンスができますね。

 子供が「ホット アンド コールド」というゲームをしますが。ゴールは相手をあるものに触らせるというものです。ターゲットに向かう子供が、正しい方向に行っていれば、指示を出す子供は「ホット」と声をかけ、キープ・ゴーイング・シグナルとしてターゲットに近づいていくほど強く頻繁に言葉をかけます。ターゲットに向かう子供が、違う方向へ行ってしまうと同じように今度は「コールド」という言葉を使います。このゲームは、犬のトレーニングの「キープ・ゴーイング・シグナル」とほぼ同じ形ですね。

 この方法を使うプロのトレーナー達によれば、この方法で25から75%トレーニングに費やす時間を節約でき、犬のやる気も維持できるといいます。家庭犬や競技会の犬のトレーニングではあまり使われていませんが、介助犬のトレーニングではよく使われています。

考えるべきこと:塊でなく、小分けで考えること。「キープ・ゴーイング・シグナル」により、事を不必要に複雑にしているという人もいます。低いステップで8割できたら基準を上げていけば、行動の途中にフィードバックは必要ないと言います。


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