Pet Dog Training TIPS Vol.3
<2005>No.6
行動にクリック!!
 トレーニングにおいて私がもっとも尊敬するのはボブ・ベイリーです。彼はB.F.スキナーと最後まで直接関わっていた人間のひとりです。スキナーは1930年代、世界中の動物トレーナーにオペラント条件付けの科学を持ち込んだ人です。アニマル・ビヘイビヤー・エンタープライズというボブの会社では、戦時に指令を受けてトップシークレット扱いだった(今は公開されています)多くのトレーニングを動物に行いました。会場にある黄色いものを発見するように、トレーニングした鳩。これは墜落した飛行機に乗っていたうち、何人が助かったのかライフベストの色を見極めレスキュー部隊に知らせに行くためでした。カラスにくちばしで小型カメラを咥えさせ、ある窓へ送り込みます。カメラをガラスにおしつけることでシャッターが切られるような仕組みにしておくのです。カーニバル、TVコマーシャル、映画、介助犬などさまざまな仕事もしてきました。ボブは何年も前に、私主催のキャンプに来てチキン・トレーニングを指導しました。2006年にスクイムの新しいレガシー・トレーニングセンターで、ボブが6日間のチキン・キャンプを開きます。すばらしい科学者・トレーナー・先生ボブ・ベイリーからの名言紹介です。

 「動物のトレーニングは、その方法に関わらず、ほとんどが機械的技術による。それには手と目の上手なコーディネーションを要する。応用オペラント条件付け、よく知られているのがクリッカートレーニングだが、単純な動物でクラスの中で練習できる。イルカのトレーナー、霊長類のトレーナー、犬のトレーナー、馬のトレーナー、オウムのトレーナー、カラスのトレーナー、また他の動物をトレーニングしているトレーナーは、経験豊富でも新人でも、簡単な動物のモデルであるニワトリをトレーニングすることでスキルアップが可能だ」

 以下はボブ・ベイリーからの引用です。ボブのクラスを受けたことがあれば、いやでも脳裏に焼きついている言葉でしょう!

トレーニングは機械的技術である

 トレーナーは犬なしでタイミングの取り方の練習をするとよい。クリッカーをならすタイミング。食べるものを出すタイミング。動きながら同時にトレーニングする練習。お互いに練習あるのみ。練習、練習、練習。それからやっと犬のトレーニングに移ること。

大事なものはタイミング、基準、強化の頻度

タイミング:通常のトレーニングであれば、クリッカーのタイミングはずれてもかまわない。しかしより精度を求めるなら、クリッカーののタイミングは、絶対にずれてはいけない。クリックした行動が定着し、それはおそらく望んでいないものだろう。不正確な強化のタイミングは、もっとも多くのトレーナーがおかす間違いだ。

基準: トレーナーは、行動の前に、何を強化し、何をしないのかをきちんと決めておくこと。決める前に行動が起きるのを待っていると、クリッカーのタイミングは不正確に遅れて一貫性にかけるものになる。

強化の頻度:トレーニングはみんなにとって価値のあるべきものだ。動物にとってもトレーナーにとっても。動物は、トレーニングにより欲しいものや必要なものを得なくてはいけない。トレーナーは動物からの行動やトレーニングを通して満足感を得ること。特にトレーニング初期には、たくさん強化をするように。

行動にクリック、ポジションと食べ物

 クリッカートレーニングをする時に、第一次強化因子をどうやって出すべきかにも注意をすべきである。ほとんどのトレーナーがクリックのタイミングにのみ神経をとがらせている。それと同じくらいトリーツを出す場所にも配慮すること。このフレーズを覚えておくように「行動にクリック、ポジションと食べ物」。例をあげてみましょう。

ウィーブポール
 犬が正しい方向に動いている時にクリックし、次の2本のポールの間に正しく入れるような場所でフードを与える。

ターゲットスティック・トレーニング
 犬がターゲットスティックに鼻をつけたらクリックする。そうしたら犬がスティックからはなれなければならないところへフードを投げる。犬が次にスティックにタッチするには動いて近づかなければならないくらい、すくなくとも頭を動かさなければならない距離を選ぶ。こうすることで、トレーニングのグレーエリア(あいまいな点)を取り除いていける。

 あぁ、忘れるところでした。ボブがクリッカーのトレーナーに教える時にもっとも良く使う2言がこれです。

「おまえ、遅い!」


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