Pet Dog Training TIPS Vol.3
<2005>No.5
クラスで吠える犬への対処

<チーズサンドイッチ方式>
 クラスでの吠えを減らすのに良い方法は、忙しいクラスにしておくことです。どのような方法で生徒や犬の集中を取るのは、それぞれに教えるスタイルやさまざまな形があると思います。レガシーでは、1回目のクラスの最初の15分を、グループでリラックスするさまざまなエクササイズに集中します。時には、エネルギーのレベルが高く、興奮し、通常行う最初のリラクゼーション・エクササイズに集中できない犬もいます。

 そういった場合は、オリエンテーションで紹介しておくのですが、「チーズサンドイッチ”のエクササイズをしていただきます。人とイスが、それぞれパンだと仮定してください。そうすると2枚のパンがありますよね。チーズサンドイッチを作るには、人が立ち上がって、イスの周りをまわるのですが、そのあいだにチーズとなる犬をはさむのです。人の体の動きとイスが、犬を正しい方向へと向けさせる役に立つのです。もし必要であれば、犬の集中を取るための誘導としておもちゃを使っても構いません。吠えの問題が起きるのは、たいてい最初の2、3回目のクラスまでなので、また人のスキルも低いのです。よく吠える犬の飼い主さんは、犬の集中をとるための道具が必要になります。最近私が好んで使うのがビズィ・バディ(プレミア ペット プロダクト社製)です。やわらかいゴムでできたダンベルの形をしたものです。丸い部分には穴が開いていて、外側にはたくさんの筋がついています。生徒が片端を持つと、犬は中や周りに何がついているのか、またはもう片端はどうなっているのかなどと興味を持ち始めます。通常ピーナッツバターやチューブ状のチーズを使います。柔軟性のある棒なので丸い部分の動きがさらに犬の興味を引くようです。

 インストラクターが話をしている最中でも、チーズサンドイッチを作るのは失礼にあたりません!そう話していても、はじめのうちはチーズサンドイッチのことを忘れてしまっていたり、タイミングがうまくとれないものです。アシスタントインストラクターの大事に仕事は興奮している犬を良く見ていて、生徒にタイミングよく指導することです。スタッフにとっては、非常に良い犬のボディランゲージのレッスンですね。アシスタントの仕事は犬の自制が聞かなくなって吠え出す前に、生徒を立ち上がらせてチーズサンドイッチを作るように、飼い主に合図をします。この合図は静かなものです。飼い主と目を合わせ、指でサークルを書いて見せます。オリエンテーションですでにこの説明はしているため、それがなんの合図かすぐに伝わります。イスの周りをまわることで、犬も飼い主も何か”考える”ことをすると同時に、何か行動を起こすことになるのです。

 クラスでじっと息を止めている犬を見たことがありますか?これは人間にもあるストレスによる反応です!人も犬もサンドイッチを作っている時には息を止めていられません。呼吸をすることでお互いリラックスできます。チーズサンドイッチを作って歩いていることにより、緊張して硬くなった筋肉を和らげることもできます。人間のほうは、犬が静かにチーズとなって歩いてくれることで安心できるでしょう。生徒は静かに集中している犬に対してご褒美を出してあげることができます。吠える犬を抱えて困ってフラストレーションをどうしても感じてしまうという状況から、前向きな状況に変えることができますね。

 インストラクターもときおり犬にご褒美をだします。それにより犬はインストラクターを尊敬するようになるでしょう。マザー・ロード(金脈)を持っていて時々現れてはご褒美をくれるのですから。

 クラスが終わったらビズィ・バディを集め、家に持ち帰ります。普通の洗濯機で洗剤とお湯で洗うことができます。ガタガタ音がするかもしれませんが、きれいになります。余分な水分を振り落とし、ビズィ・バディを金属のカゴの中にいれておきます。すると自然に乾燥し、次回のクラスで使うことができます。


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