Pet Dog Training TIPS Vol.3
<2005>No.4
問題をレッスンに変えよう
 クラスを開いていて、デモンストレーションに選んだ犬がキューに反応しないということがあります。クラスで予定通りに事が運ばない時に、生徒にはすばらしい学習の機会を提供できます。

オスワリ/マテの例:

 優良家庭犬のエクササイズをしているとしましょう。テストの項目2番では、近づいてくる間、犬はオスワリマテをしていなければなりません。ところがデモで犬がオスワリマテをしませんでした。インストラクターとしてあなたはどうしますか?
クラスの生徒に、犬がオスワリマテをしなかった理由を聞いてみましょう。こうすることで、生徒に犬のトレーニングの複雑なプロセスを理解させるのに役立ちます。私が始めによく例として取り上げるのは信号です。

 赤信号はドライバーにとってのキュー、メッセージ、リクエスト、指示ですね。オスワリマテは犬のとってのキュー、メッセージ、リクエスト、指示になります。

次のような質問をしてみましょう。

 ドライバーの場合:赤信号のキューが出ているにもかかわらず、交差点で止まって待たない(オスワリマテ)としらどういった理由による可能性が考えられますか?

犬のトレーナーの場合:犬がオスワリマテのキューが出ているにもかかわらず、言われた場所でオスワリマテしないとしたらどういった理由による可能性がありますか?

 ドライバーが赤信号で止まらないことと、犬がオスワリマテをしないことにはほぼ同じ理由があてはまります。

1.ドライバーが混乱した
2.ドライバーが適切なトレーニングを受けていなかった
3.ドライバーが赤信号の意味を理解していない
4.ドライバーが赤信号を見ていない
5.ドライバーの気が散っている
6.ドライバーがパニックを起こしていて、脳の本能的な部分である「危機回避」が機能していた
7.ドライバーには、そこにとどまっているよりも、進んでしまうほうがより良いという理由があった

ターゲット・タッチの例:

 生徒の犬でターゲットスティック・トレーニングのごく最初の段階をデモンストレーションしているとします。犬は目の前に何かを出されると、ごく自然にそれに目を向け、ターゲットスティックの匂いをかごうとするものです、と説明をしました。そこでスティックを犬の前に差し出します。犬はスティックの存在をまったく無視しています。実際、顔を反対側へそむけてしまいました。インストラクターとしてあなたはどう話をしますか?クラス全体を問題解決のセッションに変えましょう。先にも述べた通り、犬のトレーニングの複雑なプロセスを生徒に理解してもらうために役立ちます。生徒達からこんな意見が出るかもしれません。

1.飼い主から離れて不安になった
2.過去にスティックで叩かれたり、傷つけられたことがある
3.自分を指しているものを怖いと感じた
4.トレーナーがもう少し要求基準を細分化すればよかった
5.トレーニング・セッションが長すぎたか、何度も繰り返しすぎた
6.環境を変えてみる:飼い主にリード、スティック、トリーツを渡し、チームで教える
7.犬が行動をとりやすくなる方法をもっと考えてみる

 犬がすぐにその行動を見せなくても、決して失敗ではありません。そこで診断をするのです!私はタイピングには非常に自信がありますが、時には間違ったキーを押すこともあります。人は間違いをおかします。犬だって同じです。おもちゃやさんで売っているぬいぐるみではないのですから!


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