Pet Dog Training TIPS Vol.3
<2005>No.3
アジリティを楽しむ人達へのアドバイス
 アジリティ競技は非常に人気があがっていますね。あなたはアジリティを教えていないかもしれませんが、このスポーツに関する質問を受けることがあるかもしれません。もしまったく経験がないのなら、良いアドバイスはできないかもしれません。アジリティの環境は一般的なアドバイスが適切でない場合もあるからです。私自身はアジリティに向いていないし、競技にも出ていません。そして教えてもいません。しかしClean Run「クリーンラン」という北米で最も人気のあるアジリティ雑誌から、記事の依頼を受けました。私はアジリティに関してはリサーチをしていない、という前提で応じることになりました。したがって私のコメントは一般的な家庭犬のトレーニングからのものです。雑誌の編集長は、アジリティの世界からではない知識のある人にアドバイスをもらうことで、スポーツ全般に新しいものの見方や参加者に水平思考をさせる機会を与えられると考えたのでしょう。

以下はClean Run からの質問の抜粋です。

Q.アジリティのリングで犬が吠えるのはどうしてでしょう?

A.理由の説明の前に私が知りたいのは犬がどこでいつ吠えているのかということです。アジリティのグラウンドでですか?走っているときですか?スタートラインですか?私が競技会に出ている犬を見ていると、以下のどれかの理由によるように思います。エキサイトしてしまう、フラストレーションを感じる、そして興奮状態になってしまう。これらはすべて一般的にストレスとなります。

Q.そういったことが理由なら、吠えるのをやめさせるのがよいのでしょうか?

A.アジリティのスタートラインで吠える犬をよくみかけます。アウト・オブ・コントロールに見え、飛び出し、すばらしい走りを見せるのです。エキサトすることはアジリティ犬には悪いことではないのかもしれませんね。また、アジリティリングの中で、順番でこえなければならない障害をとばしたり拒否したりしてハンドラーに向かって吠えている犬もよく見かけますが、これは良いことではありません。ハンドラーがきちんとコースを覚えなければなりませんね。ある障害に向かって吠えるというのは、犬がそれに対し、不安、困惑、葛藤などを感じている場合です。こういった場合、犬が自信を持てるように、その障害のみに集中したトレーニングをしなおしてから、コースにチャレンジすると良いでしょう。犬が吠えるのを少なくさせられたら、その分のエネルギーを他の形であらわしてくれるかもしれません。犬が遺伝的に持って生まれたものと強化された経験により、ハンドラーをカツカツ噛むという形で出てくるケースもよく見かけます。特にアジリティリングの中ではよく見られますね。吠えの頻度、強度、時間を減らしていくというのは、この「吠えのパッケージ」としてとらえなければいけません。犬がなぜ吠えているのか、それを犬の視点、ハンドラーの視点、ジャッジの視点から見てみるとよいでしょう。競技に参加しているのであれば、「アウト・オブ・コントロール」の規定も知っておくと良いですね。「吠え」がそこに当てはまる場合もあります。クラブによっては、「アウト・オブ・コントロール」とみなされた犬は失格になります。

Q.吠えてしまう犬には、吠えをなくすには、また静かにさせたいという希望がある場合、どうしたらよいのでしょう?吠える理由も含めて教えてください。

A.ハンドラーが犬を静かにさせたいのなら、最適な方法かはわかりませんが、吠えを引き起こす原因を調べて、そこに取り組みます。時に、人は犬に自分の言葉ばかりを理解させようとしますが、犬の言葉を理解することを忘れています。コミュニケーションは相互通行です。犬が吠えている時には、必ず無視をしてみましょう。アジリティの時だけでなく、毎日です。吠えの理由は?吠える直前には何が起きていますか?犬が吠えている時の、体の姿勢はどうですか、またその他の行動が見られますか?吠え方にも注意を払ってみましょう−強さ、ピッチ、頻度、吠えのリズムなどです。環境の中で犬が吠えることでどんな変化がありますか、人でも物でも犬の吠え声が聞こえる範囲内でです。こういった知識を、アジリティの状況での吠えにあてはめてみます。

 ストレスやフラストレーションの原因を取り除くのは大切です。ストレスは蓄積され
ていきますから、長期的な健康や行動の問題につながりかねません。興奮や自制心の
制御ができないのもストレスの形です。そのエネルギーを他に向けてあげることはで
きますよ。犬に手袋などをくわえさせながら、ハイファイブをさせたり。おじぎや伸
びをキューでさせたりもできます。その場で左右にスピンしたり、数秒間のフセマテ
でもよいですね。


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