Pet Dog Training TIPS Vol.2
<2004>No.21
耳の聞こえない犬と暮らす飼い主へのヘルプ

  言葉によらないコミュニケーションをとる犬は、耳に障害を持つ人間が感じるほどハンディを感じていないかもしれません。言い換えれば、音により頼る人間よりも犬のほうが先に進んでいるのです。トレーニングプランを作るには、水平思考が必要です。一般的に耳の聞こえない犬は、それを補うように視覚・嗅覚が発達します。私達の動きのパターンや表現を読むのが上手です。多くの犬のトレーナーは、正常な聴力をもつ犬でさえ、言葉よりもシグナルを早く覚えます。聴力障害のある犬にはオーバーシャドウの問題が少ないかもしれません。人間は同時ににあまりにも多くの体の動きや言葉を使うので、犬がひとつのことにしか集中できないのです。聴導犬とは違い、犬は動きと表現に集中します。犬のトレーニングに効果的かつ一貫性をもってシグナルを使うことを、飼い主さんに伝えてくことが鍵になります。

聴覚障害のある犬のトレーナーが知っておくべきことと
避けるべき起こりうる問題


驚く反応

何かこれまでと違うことが起こるとき、事前に得られる情報が少ないので、より大きな驚愕反応を示すかもしれません。トレーニングプログラムに突然の視覚的な変化への系統的脱感作と逆条件付けをとりいれます。

触られることに敏感

聴覚障害のある犬は、触られることに敏感な場合が多いです。触られることに反応するのは、彼らにとってより重要です。集中をとろうと犬をつかまえるようなことをしていると問題のもとになります。これも脱感作と逆条件付けでよい方向にもっていけるでしょう。

分離不安

聴覚障害を持つ犬は、聞くことができないために離れることで問題を抱える場合があります。例えば、隣の部屋で起きていることが聞こえないため、ひとりぼっちでいることでパニックを起こす場合があります。

呼び戻し

飼い主が本当にラッキーでなければ、聞こえる聞こえないとにかかわらず、呼ばれて100%戻ってくる犬はいません。飼い主が「ときおり飼い主の存在をチェックする」という習慣を犬につけておけば、聴覚障害のある犬がシグナルで戻ってくる可能性は、かなり高くなります。毎日の暮らしの中で、犬が自発的に飼い主を見た時にご褒美を与える準備をいつでもしておきましょう。トリーツ、ひっぱりっこのおもちゃ、車の鍵などポケットにしのばせておきます。

関係つくり/リーダーシップ

 これは聴覚障害の犬には、より重要です。レガシーのL.E.A.D.プログラムはコミュニケーションとお互いを尊重するための良い基礎になるでしょう。

どれがベスト?バイブレーション(振動)カラー、ライト、シグナル

ライト

 ライトには限界があります。暗闇ではもちろん効果的ですね。レーザービームは人や犬の目にダメージを与える可能性があるので注意するように伝えなければなりません。

バイブレーション

  バイブレーションカラーがもっとも良いトレーニング道具かもしれません。その理由は、犬が飼い主に注目していなくても、犬にキューを伝えることができるからです。バイブレーションを、クリッカーのようにブリッヂとして使ったり、情報として使うことができます。2度の短い振動は「ミテ」、1度の長い振動は「オイデ」などです。カラーはインターネットでオーダーできますし、地元の電気屋さんで作ってくれるかもしれません。有益な情報は以下の団体から得られます。このホームページではチャットもできますし、バイブレーションカラーの情報や自分で作る場合の作り方などが掲載されています:
The Deaf Dog Education Action Fund
PO Box 369 Boonville, CA 954115
www.deafdog.org

シグナル

  犬に出す基本的なハンドシグナルを、飼い主に教えましょう。リード、クリッカー、トリーツなどを片方の手で持つこともあると思うので、片手できるものをお勧めします。いくつかアイデアをあげておきます。

・グッドドッグ(いい子)
 笑顔(すでに犬は知っているかもしれませんね!)、もしくは親指を立てる。
・オサンポ(リードをひっぱらずに歩く)
 犬がリードを引っぱっても、犬についていかないようにする。
・オスワリ
 誘導を使ったトレーニングしていれば、手を犬の頭の上にあげるとオスワリ
 するようになっているでしょう。
・フセ
 誘導を使ったトレーニングをしていれば、床を指さすのがよいでしょう。
・ステイ
 犬の顔の前に手のひらを出す。
・オイデ
 腕を横にまっすぐ伸ばし、ひじを胸に向かって折り曲げます。
 その後、腕は下におろしましょう。
・ヒール(ツイテ)
 飼い主が自分の足の脇を叩くようなしぐさをする


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