Pet Dog Training TIPS Vol.2
<2004>No.10
インストラクターの皆様へ
クリッカーを使うすべての飼い主達にこの情報を知らせましょう!


《クリッカーをクリックする前に》
 クリッカーは明確なコミュニケーションのための道具です。人間同様に犬も、曖昧さがなく白黒はっきりとしたほうが、効果的に学習できます。犬のトレーニングでは、クリックの音は、報酬に値する行動をマークするためのものです。素速い明確なクリック音で、今犬がしていることが良いことだとその場で伝えるのです。実際、その良い行動に対して報酬を約束するのです。クリック音が食べ物のトリーツを予期させます。

クリック音は以下のものである
●マーカー
●報酬の約束
●ブリッヂ刺激
●第二次強化因子

クリック音は以下のものではない
●呼び戻しの合図
●アテンションをとるための道具
●約束を破る

《クリッカーのローディング》
 犬がもともとクリッカーの意味を知っているわけではありません。しかし、これは簡単に教えられます。片手にクリッカーを持ってください。もう片方の閉じた手の中に、4から6粒のドッグフードを持ちましょう。手の中にフードを持っていることを知らせ、少し犬をじらすようにします。クリッカーをクリックし(1回だけですよ!)、すぐさまフードをひとつ与えます。手から上げてもいいし、犬に投げても構いません。手に持ったフードがすべてなくなるまで、クリッカーをクリックしフードを与えてください。クリッカー音でトリーツを予期します。

 この時点では、ある特定の行動に報酬を与えているわけではありません。また、特定の行動をとらせようともしていません。単にランダムにクリックし報酬を出しているだけです。トレーニングの要素−場所、体の位置、犬の位置などは、毎回クリック/トリーツを行うたびに変えましょう。例えば、1回クリック/トリーツを行う時犬はオスワリをしているけれど、次にクリック/トリーツする時フセをしているなどです。キッチンで、車の中で、犬と向き合っていたり、背中を向けていたり....。ただ一つ変わらないのは、クリック音がすると、周りで起きていることにかかわらずフードが出ることです。

“もし...モモが過剰に興奮してしまったら。例えばクリッカーのローディング中に、私に飛びついたり、手を甘噛みしたりしたら?”

 モモがトレーニングに夢中なのは素晴らしいことではないですか!何も言わず数秒顔を逸らし無視するか、もう少し長い間部屋から出てしまってタイムアウトするかします。
 犬は報酬が与えられた行動を繰り返す傾向があるので、もし偶然良くない行動をしている時にクリックしてしまったら、無意識にその行動に報酬を与えてしまっているかもしれないのです。例えば立っているとか、静かにしているとか、特別なことをしているのではない時を待ちましょう。

今度は:
★犬の食後にエクササイズを行いましょう。
★犬が落ち着いている時にエクササイズを行いましょう。
★犬が大好きな食べ物の報酬リストの中から、いちランク下のものに変えましょう。

“もし...モモがクリッカーの宿題に興味を示さなかったら”

★モモが空腹な時にトレーニングしましょう。
★1日の中で活発な時間帯にトレーニングしましょう。
★いつもと違うトレーニングトリーツを使いましょう。
★もしかしたら音に過敏なのかもしれません。
この場合、クリッカーを持っている手をポケットにいれておく、または背中に隠すなどして音を小さくします。またはクリッカーの代わりに「イエス!」という言葉を使いましょう。

“もし...モモが逃げてしまったら。気の散るものかを無視させるため、何度かクリッカーをクリックして、私のところへ呼び戻しても良いですか?”

  いいえ。これは適切なクリッカーの使い方ではなく、後のトレーニングで報酬としての価値を弱めてしまいます。クリック音で犬はあなたを見るかもしれませんが、それそのものがアテンションをとるキューではありません。走ってくるかもしれませんが、「オイデ」を意味するものではありません。こういった時にクリッカーをクリックすると、走って逃げることに報酬をもらっていると思ってしまうかもしれません。また忘れないで欲しいのは、トリーツのないクリックは約束破りになるということです。

インストラクターへ
 クリッカーは素晴らしい道具です。肉屋さんの肉切り包丁と外科医のメスくらいの差があります。技術のない人がメスを持つと、良いことよりダメージの方が大きくなってしまいます。生徒さん達がクリッカーの正しい使い方を明確に理解できるようにつとめてください。


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