Pet Dog Training TIPS Vol.2
<2004>No.5
外につながれている犬
 日本やその他諸外国で、犬が裏庭や駐車場など人の目の届かないところでつながれて飼われているのを目にすることは、珍しいことではありません。多くの場合、こういった犬達は生涯鎖につながれて過ごすのです。犬小屋があり水や食事は定期的に与えられています。幸運な子達は散歩に連れて行ってもらえますが、ほとんどの場合犬は1日の大半を鎖につながれています。

 皆さんの国だけでなく私達の国でも、私は犬を鎖につないで飼うことに反対します。その理由は犬はもともと人といることを望むからというだけでなく、犬の気質や近所の人々にも危険だからです。私はよくクラスでクリティカル・スペースの話をします。他犬や近づいてくる人々が怖いと思っている時、犬は自分のまわりのスペースを調整できる状態にいなければなりません。犬が近づいてくる人に不安を感じている場合、自分の体の周りに見えないラインを引いていると思ってください。人や犬がそのラインを越えなければ、犬は安心していられます。そのラインに近づきすぎたり越えてしまうと、犬には2,3の選択肢しかありません。もっともよく見られる2つです。ひとつは逃げる−後ろに下がるか隠れる、もうひとつは戦う−攻撃的な行動を見せる−です。つながれている犬達は自分の下がれる距離も、隠れる場所がないこともよく知っています。そういった選択肢がなくなると、攻撃的な行動に出ます。この境界線をフラストレーションと呼ぶ人もいます。犬の噛みつきについての研究結果で、犬がつながれていることと、噛む確率が高くなることの相関関係をしめすものもあります。脅したり攻撃性の問題を持つ犬はリードがついている時のほうがついていない時より、またクレートに入っている時のほうが入っていない時より、ロングリードよりショートリードがついている時のほうが悪い場合が多いです。

 アメリカでは犬を外でつないで飼うことに関し法律を設けている都市が50以上あります。都市と法律に関する詳細は英語ですが、以下のURLで見られます。(http://www.helpinganimals.com/a-tether.html)カンザス州のウィチタの例ですが、犬を1時間以上、または1日に3時間以上つないでおく事を禁止しています。

 アメリカ愛護協会(http://www.hsus.org/tether.html)はホームページで、なぜ飼い主の監視なしで犬をつないでおく事がいけないのかの理由を書いています。その理由は:

◆犬が絡まって窒息する可能性がある
季節が変わるように、太陽の向きも変わる
短時間のうちに、極端に寒くなったり暑くなったりする場所に、犬がいるかもしれない

◆悪意を持った人から犬を守るフェンスがない
よそのリードがついていない犬がやって来て、攻撃し、傷をつけたりいじわるをするかもしれない

飼い主達に良いマナーの室内犬をトレーニングし、こういった問題を防ぐよう指導しましょう。


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