Pet Dog Training TIPS Vol.2
<2004>No.1
初級クラスの後に〜すばやいフセ〜
イラスト

継続教育としてフセを強化する

 何があっても犬にフセの姿勢をとらせることができると、飼い主には良いコントロールの方法となります。インストラクターにより、このエクササイズに異なる名前をつけています。競技会向けのクラスを教えている時、私は「ドロップ・オン・リコール」と呼びます。家庭犬のクラスでは「ランダム・ドロップ」や「エマージェンシー・ダウン」と呼んでおり、遠隔操作のエクササイズになります。

<何が古くて、新しい?>

 現在のフセのエクササイズから練習していく前に、「フセ」が何を意味しているかというしっかりした基礎ができているか生徒のテストをしてみましょう。テスト内容は以下の通りです。オリジナルのアイデアを加えても良いですね。

 犬の良し悪しを試すための本当の「テスト」ではないということを、生徒にきちんと説明します。クラスの犬がフセをどの程度理解しているかのチェックです。
 
 このチェックの後、それぞれに「新しいこと」「弱い点」などについて段階をおった指示を出してあげましょう。大きな固まりではなく、細かく分けた指示にします。小さなステップですね。

<すばやいフセの評価テスト>

■キューについて:犬がフセをする

・すばやく:キューが出されてから3秒以内(2ないし1秒なら尚良し!)
・言葉のみ:ボディランゲージは一切なし
・ハンドシグナルのみ:言葉は一切なし
・すべての外部のキューをなくすこと

■位置について

・飼い主の脇で
・飼い主の正面で
・ヒールポジションで歩いている時
・犬から少し離れて
・犬から遠く離れて
・飼い主が走っている時

■環境について

・室内
・屋外(リードつきかフェンスで囲われた場所)
・上記それぞれの場所でディストラクションを加える
・オフリード(フェンスで囲われた場所)

■ご褒美について

・飼い主がおもちゃやフードを持っていなくても、犬がすすんでフセをする
・ご褒美がランダムや後から出てきても、犬がすすんでフセをする

<テストに合格するための練習方法>

 あなたが「テスト」をどう行うかによります。生徒は間違いなくいくつか弱い点を見せるでしょう。レガシーのクラスでは遠隔で上手にフセる練習をする時に、4つのDについて話をします。これはすばやく上手にできるようにするために必要な要素ですが、すべての言葉が(英語の単語で)Dで始まります。一度にひとつの「D」しか変えません。日本語を使って別の形を作っても構いません。エクササイズのひとつの要素を難しくする時には、他の要素の要求レベルを下げましょうということです。こうすることで、失敗する確率を下げ、成功する確率を上げることができます。ご褒美が行動を引き出します!例:ディストラクション(Distraction)を加えるのなら、あなたと犬の間の距離(Distance)を短くし、エクササイズの時間(Duration)を少なくします。

■DISTANCE(距離)

 犬がフセをし、あなたがすぐ近くにいれば8割から9割の確率でそのままでいられるなら、もう少し犬から離れてみます。

■DURATION(時間)

 フセマテの状態で15秒ほどいられるなら、エクササイズの時間を少し延ばしてみましょう。時間は長くしたり短くしたりしてみます。ある時は25秒、次は10秒、その次は40秒、そして15秒という風に。

■DIFFERENT ENVIRONMENT(異なる環境)

 通常の静かなトレーニング環境(家、庭、トレーニングクラス)の中なら上手にできるのであれば、ディストラクションを加えてみたり、それまでとは異なるトレーニング場所に連れ出してみます。リビングルームで犬にフセマテをさせ、あなたはクローゼットへ行き、そこから取り出したコートを着てもそのままの姿勢でいられるでしょうか?玄関のチャイムがなってもそのままの姿勢でいられるでしょうか?不当なディストラクションを加えて犬に失敗させないようにしましょう。トレーニングをしているのであって、テストしているのではありません。「少しずつ」というのを忘れないように!

■DELIVERY OF REWARD(ご褒美を与える)

 良いトレーニングというのは、最初はある行動に対して毎回ご褒美を与えるところから始まります。その後、2,3回行動を見せたら、ご褒美をひとつ与えるという形にします。ご褒美を与える間隔をランダムに変えていきます。(2回の行動に対して1つのご褒美、3回に1つ、1回に1つ、3回に1つ)そこからすぐに一番良い行動を見ていて、それに対してご褒美を与えるようにします。「すばやさ」を重視するなら、それをみてご褒美を与えるということです。
 難しさの程度をひとつあげたら、一時的にご褒美を与える回数を増やすようにしてください。それまでのエクササイズに新しい要素を加えたら、それまでの要求レベルの基準を一時的に緩めるということです。こうすることでご褒美の出る回数を増やすことができ、その結果成功し、クラスは楽しい場所だという印象がつくはずです。


Return GO TOP
(c)copyright 2003 LEGACY JAPAN, All rights reserved.
〜文章および画像の無断転載・複製を禁じます〜