Pet Dog Training TIPS Vol.1 VOL.17
2003
ニワトリのクリッカートレーニング
〜日本の皆様へ素晴らしいチャンスのご紹介です〜
  ニワトリのトレーニングをすると犬のトレーニングの腕が上がります。ニワトリは素早い!ニワトリへ的確に強化のブリッヂを出すためには、適切な身体の動きと機械的技術が要求されます。ニワトリがうまく理解してくれるだろうと思うのは大きな間違いです!犬のトレーニングでは「関係」や「誠実」ということが言われますが、ニワトリは自分勝手で、報酬の出ることしかしません。犬は、最後の最後まで、人から手荒い扱いを受けてもまた戻ってきては、何度も人を信用しようと試みる唯一の種です。ニワトリは、そんな方法では効かないということをすぐに私達に教えてくれます!2度チャンスを与えてくれません。怖い思いをしたり、ストレスがかかると、フリーズしてしまうかその場から逃げてしまい、それ以降はどんな行動を引き出すこともほぼ不可能になってしまいます。

 ハワイのシーライフパークで海洋動物のトレーナーをしているイングリッド・カング・シェレンバーガーと私で、1993年から1996年まで、レガシーのキャンプとしてチキン・トレーニングを行っていました。この頃からチキン・トレーニング部分を教える講師としてボブ・ベイリーとマリアン・ブリーランド−ベイリーを招き始めたのです。彼らは、マリアンの最初の夫であるケラー・ブリーランドと共に、動物トレーニングの分野ではまさに開拓者的な存在です。昨年他界したマリアンはB.F.スキナーから学んだ大学院生でした。スキナーはオペラント条件付けの初期の支持者の1人であり、彼らは共に動物のトレーニングを新しい科学の分野にしたのです。彼らは家庭犬のトレーナーではありませんでした。コマーシャルや、現在でも機密扱いとされる戦争時のプロジェクトのために、さまざまな異なる種の動物をトレーニングしました。スキナー、ブリーランド、ベイリーという名前には、今日どの心理学の本を開いても出くわします。

 ボブ・ベイリーは来年引退します。しかしその前に6日間のチキン・キャンプを指導するため日本にやって来ます!2004年のゴールデンウィークに、アニマル・ファンスィアーズ・クラブで開催されます。ボブと私がチームとなり、オペラント条件付けのさまざまな技術をお教えします。

 こういったレッスンをニワトリから学ぶ機会を得られなくとも、以下にベイリー夫妻からの動物のトレーニングにおける重要な考えと言葉を紹介しておきます。

■ 行動分析

「行動は大きく捉えず、細かく分ける」 
  私がこの言葉をマリアン・ブリーランド−ベイリーから最初に聞いたのは、1994年のレガシー・チキン・トレーニングキャンプでした。「細かく分けろ。かたまりにするな」これが初期の犬およびチキン・トレーニングキャンプでの合い言葉になりました。行動を行うために含まれる要素を決定し、大きな行動のかたまりを、細かい部分に分けるのが行動分析です。あるエクササイズを段階に分けたら、さらに個々の段階を見て、もっと細分化できないか検討してみましょう。

■ 基 準

「何を強化しているの?」 
 与えられた時間で、行動(すでに細かくされたもの)のどの部分を教えようとしているのか?複雑な行動では、ひとつのトレーニング・セッションであまりにいくつも基準を変えないことが大切です。基準を変えることは「パラダイム・シフト」とも呼ばれています。

■ タイミング

「遅い!」 
 私はこの夏、アーカンサスで開かれた12日間のニワトリのみのトレーニングキャンプに参加し、ボブ・ベイリーの生徒になりました。トレーニングの間中、ボブの「遅い」という声が響き渡っていました。クリックはブリッヂング・スティミュラス(橋渡しとなる刺激)です。この用語もブリーランド夫妻が生み出したものです。その後月日を経て「ブリッヂ」と短く呼ばれるようになりました。これはまた条件付け強化因子、二次強化因子、約束、報酬のマーカーなどとも呼ばれています。以前から海洋動物のトレーナーはブリッヂとしてホイッスルを使っていました。犬のトレーナーは言葉またはクリッカーを使っています。行動と同時のクリックが最適なタイミングです。クリックのタイミングは遅れるより、早いほうがはるかに良いです。

■ 強化の頻度

 行動を小さなものに分ける理由のひとつに、犬が強化を受けられる機会を増やすためという事をあげられます。最後はこの言葉で締めます。
「強化が行動を引き出すのです」


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