Pet Dog Training TIPS Vol.1 VOL.12
2003
クラス内での上手なコミュニケーション
 すべての生徒があなたに同意するわけではないし、宿題をきちんとこなしてくるわけではないし、予定した通りに指示に従うわけでもありません。人によっては扱いが非常に難しい場合もあります。しかしそれが現実です。人にはそれぞれ個性があります。私達のすべきことは、すべての人と犬達に最良の環境を提供する事です。犬を助けるには、まず人とうまくコミュニケーションをとる必要があります。いくつか秘訣をご紹介しましょう。 イラスト

 人は自分の行動を頭ごなしに非難されると、その行動を弁護しようと、より頑なに自分の方法に固執します。インストラクターとして不適切なコメントの例をあげてみます。
「犬にそれをしてはいけません」
「違います。私達はその古い方法は使いません。この方法を使います」
「それはうまくいきませんよ」

 先にあげたような配慮を欠いた、非難めいた指摘に返ってくる答えは次の3つのどれかでしょう。

1. 「そうなんです、でも」
生徒はその指摘に示しつつも、自分の考えで反論してきます。
「そうなんですけど、うちの犬はその方法でトレーニングするにはまだ幼すぎます」
2. あなたに何がわかる?
生徒がインストラクターの知識や伝えた情報の信頼性に疑問を持ちます。「それは確かですか?」
3. うちにはあてはまらない
インストラクターの話に耳をかさないか、自分は正しく指示に従っていると信じ、話しかけているのは自分以外のクラスの生徒だと思い込みます。

 有能なインストラクターというのは、たとえそれが自分の感情とは異なる場合でも、生徒の気持ちを受け入れるものです。また生徒のその時点での意見というのはストレスからくるものだという風にも考えられます。生徒というのはまだ経験も少なく、それゆえ適切な対応ができないものなのです。今のスキルでは精一杯の努力をしています。ですから私達の仕事は、生徒と良い関係を築き、生徒が良い情報を受け入れやすい形にすることです。私達が教えると事と、生徒が学んでいる事は同じであるとは限りません。

感情的な生徒と接するには
対 立
 生徒が怒ったり、感情的に傷ついたりということが時には起きます。こういった状況はしばしば、生徒がインストラクターに対し実際に抱いている個人的感情の表れでもなく、さらには指導能力に対するものではなかったりします。感情が高まってきた時に、たまたまそこにいたという事です。対処方法にはこういった形があります。

 問題に直面しても落ち着いて対処できるように、STOPという単語の頭文字を使って覚えると便利です。

S Signal.(シグナル)
感情的にいらだち始めた時に、自分の体が出すシグナルを認識しておきましょう。肩に力が入ってきませんか?息を止めてしまいませんか?声の調子は変わりませんか?
T Take Control of Your Own Emotions.(自分の感情をコントロールしましょう)
自分の気持ちが落ち着くことなら何でもしてみます。相手が微笑んで、自分に向かってうなずいていると想像してみてください。今この瞬間はすぐに過ぎ去ります。
O Opposite.(反対)
自分の出すシグナルと反対のことをしてみます。肩の力を抜いて、深呼吸します!いつもと同じ声の調子を心がけましょう。
P Practice.(練習)
このSTOPが上手にできるようになるまで練習しましょう!


Return GO TOP
(c)copyright 2003 LEGACY JAPAN, All rights reserved.
〜文章および画像の無断転載・複製を禁じます〜