Pet Dog Training TIPS Vol.1 VOL.4
2003
狭い場所でのヒーリング「文字をなぞろう」

 室内でしつけ教室のできる場所を探すのはなかなか難しいものです。場所が狭くなるほど生徒同士の間隔に注意を払うなど、インストラクターによる管理が大切になってきます。「自分のスペース」を重要視する犬がいることも忘れないでください。広いスペースを要するヒーリングのエクササイズは、特に場所に限りがある状況ではインストラクターは気をつかいます。例えばアメリカやオーストラリアでは、一つないし二つのクラスのヒーリングのエクササイズを行うため、フットボール場全体を使う事も少なくありません。日本のあるしつけ教室を見学に訪れた時のことですが、30分間ものあいだ休むことなくヒーリングのエクササイズを続けている飼い主を見ました。信じられない光景です。私は思わず時間を計ってしまいました。家庭犬の飼い主にはそこまでの練習は必要ないし、ほとんどの犬は退屈してしまうでしょう。ヒーリングができるのは良いことです。また特に都会に住む方には必要なことでしょう。しかし個人的には、自分の生徒であれば、それだけの時間とエネルギーの一部を、家庭犬に相応しい実用的な行動の練習に注いでほしいと思います。今これを読んでいる方もそうお感じになるかもしれませんね。
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 まずクラスを半分に分けます。半分はクラスのアシスタントについてオスワリとフセの練習、もう半分はアルファベットの文字をなぞるヒーリングエクササイズをインストラクターの指導のもと行います!

  3つか4つのアルファベットで構成される短い単語を選んでください。その単語を床にテープで書きます。もし教室を外で開催しているのであれば、代わりにスポーツ店で手に入るチョークの粉が使えます。エクササイズは、飼い主が犬をヒールポジションにつけ、その文字の上をなぞって歩くというものです。単語の長さや使われるアルファベットで、生徒にあわせてその難度を変えることが可能です。文字の線が重なる部分で毎回犬にオスワリをさせることもあります。HATという単語がありますが、これは短いけれど難易度は高くなります。というのも多くの止まれ、回れ右、そして文字をなぞるため正確な角度などが必要とされるからです。COOLは単語の数は多くなりますが、形はなぞりやすくなっています。それぞれのアルファベットの最後で犬にオスワリやフセをさせても良いですね。単語をなぞった後どこかにおもちゃか食べ物のご褒美を置き、ランダムにご褒美を与えて行動を強化していくという事を教えることもできます。飼い主がスタート時に一粒だけ食べ物を手の中に持ち、最後にはご褒美バッグを置いておくという方法もあります。アルファベットをひとつ選び、飼い主にその文字の途中と単語の最後でご褒美を与えるよう指導するのも良いでしょう。

 クリエイティブになって、ご自分のクラスに合ったルールを作ってみてください!


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