Pet Dog Training TIPS Vol.1 VOL.1
2003
 ひとつの仕事に充実感を持ち続け、成功を重ねていくには継続教育が欠かせません。これは、日進月歩の家庭犬のトレーニングでは特に重要と言えるでしょう。犬のしつけ方を飼い主に教えるには、科学と技術が必要です。良いトレーナーが必ずしも良いインストラクターとは限りません。犬そしてその飼い主とのコミュニケーションについて学びたい方に、このニュースレターは最適です。私自身のアイデアを含め、トレーニングに関する様々な最新情報をお届けします。このニュースレターはインストラクターである皆様が、その知識を深めそして広げることにきっと役立つでしょう。
 今回ご紹介するのは私が行っているペット マナー クラスで実際に宿題として生徒に与えている課題のひとつです。

自分のベストを目指そう
「お散歩ルート」
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 しつけ方教室参加の目的はインストラクターに良いところを見せるためではありません。またクラスメイトの犬達よりも上手にできるようになることでもありません。皆様とそれぞれの愛犬の一週間毎の上達具合を成功のモノサシにしましょう。運動選手はコーチから「自己のベスト」を目指すよう言われます。今日はそんなエクササイズをご紹介します。
 コントロールが難しいと思われる部分を取り入れたお散歩ルートを考えてみましょう。悪い習慣に代わる適切な行動を犬にとらせるという事を学んでいますが、オスワリ、フセ、ヒールなどはその適切な行動にあたるものです。

 ジュディと愛犬シェーンの「お散歩ルート」をご紹介します。
月曜日の夜。ジュディはスタート時間を記録し、リードを手に玄関へ向かいます。シェーンは散歩に行けると思い大喜びで跳ね回っています。
ジュディがリードをつける間、シェーンはドアの前でオスワリをしていなければなりません。
ジュディはドアを開けますが、ヒールと言って一緒に歩き出すまでシェーンはオスワリのままです。

このエクササイズのルールです!
すごろくゲームのように、ひとつのチェックポイントでできない事があったらひとつ前のポイントに戻り、そこからコースを続けてください。

シェーンがオスワリをしている間、ジュディは一度玄関を出て再び入ります。そこでドアを閉めシェーンを解放し、10秒ほど遊びます。
遊びの後シェーンにオスワリをさせ落ち着かせます。
次はリードがたるんだ状態でリビング ルームへ移動します。リードが張ったらスタートへ戻ります。もしくはその場で立ち止まり、シェーンにどこにも行けないのだという事を理解させます。リードがたるんだら再び歩き始めます。
次はジュディが冷蔵庫を開けて中の食品を動かす間、シェーンにリビングルームとキッチンの境い目でフセ マテをさせます。冷蔵庫の扉を閉めた後や呼んでから入って来た時に、ランダムにごほうびをあげます。言われた通りにしていられなかった時はごほうびをあげてはいけません。
リードがたるんだ状態でヒールポジションにつかせ、地下への階段を降ります。途中のクロゼットの前でシェーンにオスワリをさせます。その間ジュディはジャケットをいったん着て脱ぎます。車のキーを手に持ち、また戻すということもしてみます。こういったエクササイズはシェーンの興奮につながるお出かけのキュー(注1)にだんだんと慣れさせるのに役立ちます。
ここでエクササイズ終了です!時間の記録をし、シェーンと室内でのゲームを楽しみましょう。

自分のベストを目指そう 「お散歩ルート」のゴール

 これはテストではありません。ジュディはエクササイズの途中どこでもシェーンとコミュニケーションをとり、成功を導き出すようにします。毎月曜日に同じルートを歩いてください。クラスで出される宿題をきちんとこなしていれば、翌週の月曜日までには記録している時間に確実に進歩が見られるはずです。すぐには進歩が現れない場合もありますが、数週間後には大きく上達しているでしょう。
用語の解説
(※1)キュー=きっかけ、合図など

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