Pet Dog Training TIPS Vol.3
<2005>No.15

老犬とトレーニングについて

 以前、老犬についての話を書いたことがあります。年齢チャートを面白いと思われたのではないでしょうか。チャートによれば、私の愛犬ブローディは既に中年です!

 あなたの愛犬が早く年老いていってしまうことに影響するいくつかの要因をご紹介します。

<遺伝的背景>
ある犬種は特有の健康問題を持つ事で知られています。例えば、いくつかの大型犬種は年齢を重ねるにつれ背中と腰の関節炎を起こす事で知られています。

<環境要因>
飼い犬とその環境を清潔で寄生虫のない状態に保てば長生きする可能性が高くなります。

<病気と疾患>
重大な病気や疾患は犬の寿命を縮めます。関節炎や糖尿病、クッシング症候群、癌、腎臓・心臓・肝臓疾患などのような疾患は若い犬にはあまり見られず老犬に起こります。獣医師による血液検査でこれらの疾患の多くを調べる事ができます。毎年獣医師の診察を受ける事は大事です。あなたの老犬については、獣医師のアドバイスに従いましょう。

<栄養と運動>
よい栄養と規則的な運動で適正体重を保ちましょう。これらの要因は老化過程を遅らせるのを助けます−今一度、獣医師のアドバイスを受けましょう。

<歯を清潔に保つ>
肥満の次に歯周病がもっともよく見られるものの1つです。

健康問題を示唆する可能性のある症状を注意深く観察し、適切な獣医師の処置を受けましょう。

自分達の老犬が精神的に下り坂にさしかかった事を知る診断方法があったら素晴らしいと思います。多くの犬の飼い主は、犬がニオイを嗅ぎ分けるゲームと追跡のような嗅覚を使う必要のあるトレーニングを楽しんでいるので、以下の文書は興味深いのではないかと思います。
最近のいくつかの研究による成果では、嗅覚の衰退と認識力の低下の相互関係を示唆しています。

“嗅覚機能の評価:老犬における認識力を評価する為の統合されたアプローチ”
Karen L. Overall, VMD, PhD, ペンシルバニア大学、2004年11月

 オーバーオール博士は、アメリカの行動学獣医の先駆者の1人です。彼女の論文には、加齢が犬の嗅覚能力にどう影響するかについて書かれています。最も重要な事は、嗅覚能力と認識能力との関連の可能性です!もし一方が他方に先行して起こるとすれば、これはペットの飼い主にとって重要な情報です。

 犬は年を取るにつれ、嗅覚を失っていくかもしれません。人間のように、犬もまた年齢と共に認識力の変化を経験します。科学者達は嗅覚の変化は、学習能力や飼い主を認識する能力の低下などのような脳内で起こる他の変化と連動しているかもしれないと信じています。麻薬捜査犬や他の捜査犬のトレーナーは、より賢い犬の方が捜査・探知が上手だと考えています。これについてのデータはありません。これらの犬における認識と嗅覚の関係がわかれば、最も優秀な犬だけ訓練すればよくなるので非常に有益だと思います。これによって、このように役に立つ犬達を産み出す事は効率的になるでしょう。研究者達は今、老犬の嗅覚ニューロン(神経単位)を計り、嗅覚システムの低下が認識能力の衰退と相互関係があるか調べています。この情報は、嗅覚と脳機能の相互関係所見を評価する信頼性テストを開発する為に役立つでしょう。この知識は獣医師が老衰のような老化問題の始まりを感知し、早めに治療を始める事を可能にするでしょう。もしそのような情報によって、私達は犬が老齢を楽しむのを助けられたらとても素晴らしいと思います。


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