Pet Dog Training TIPS Vol.3
<2005>No.12

迷信的行動
あなたの犬はあなたが教えていると思っていることを学習しているのでしょうか?

 迷信的行動とは通常、望ましい行動と合わせて不適切な行動を、アクシデント的に偶然学習してしまうことです。結果とは関係のない行動なのに、動物が報酬を得るために必要な行動だと思い込んでしまうのです。うっかり強化してしまった結果によることが通常です。あなたが新しいキューを教えようとしている時に、ひとつのキューと関連して別のものと報酬を結びつけてしまうのです。

迷信的行動の例:

「フセ」と犬に言うと、あごを前足につけてフセをする(飼い主が前足に注意をしていない)。その結果、「フセ」と言われると、フセをする時に前足をあごにつけるようになります。

飼い主が「幸運のシャツ」と決めているシャツを着て、次回の犬のトレーニングクラスに行きます。そのシャツは先週のクラスでも着たものです。そのクラスで犬は、集中力が高く、楽しそうで、やる気十分にすべてのエクササイズをこなすことができました。これは当然犬の行動とは関係のないもので、偶然にすぎませんよね。

犬は「ホエル」ことで報酬を得られました。その後尻尾を振りながら吠えるようになりました。なぜかというと最初にこのふたつの行動を同時に行っている時に報酬が出たからです。

毎週宝くじを買っている人がいます。ある時ついに当選金をえることができました。そうすると、そのくじを買った「幸運の店」からしか買わなくなりました。

犬は状況から学ぶ生き物です。犬が実際のトレーニングの中で何を関連づけているのか、私たちには正確にわかりませんが、愛犬と上手にコミュニケーションをとるための秘訣をレイシーから学びました。私の愛犬が私が教えていたこととは、違うことを学習していたという実際にあった例をご紹介します。

 その時8週齢だったイングリッシュ・コッカ・スパニエルのレイシーが、私の家にやってきたのは10月の終わりでした。それまで一緒に暮らしてきた犬たちと同じように、レイシーにも、トイレに行きたい時は、ドアの前にオスワリをして誰かがドアをあけてくれるのを待って、トイレ場所と決めてある裏庭の奥のほうへ行くということを教え始めたのです。寒い雪の降る日を除いては、まったく問題なく過ごしていたのです。そういった日はレイシーはいつものように誰かがドアを開けてくれるまで待っていました。ところがデッキ部分を遠すぎて庭のトイレ場所へ行く前に、デッキでしてしまったのです。何が起きたのでしょう?この方法ですでに成功したし、正しく教えたはずです。他の4頭はまったく問題ありませんでした。雪がたくさん降っている日でなければその問題はみられませんでした。さて、この情報を問題解決にどう活かしますか?

 よく観察し、そのミステリーのレポートを読むと答えはわかります。雪が降っている時はデッキが完全に雪で覆われていました。つまりデッキも庭の一部のようになっているわけです。暖かい季節になって雪が解けてくると、デッキに積もった雪を払いました。裏庭のトレーニングセッションをしている時は、外は雪だらけですから雪のあるデッキの上でトイレを済ましていることで報酬をいつも得ていたわけです。雪が降るたびにデッキの雪がレイシーの考えではゲームの正解になっていたのです。天候が暖まり、デッキの上の雪が解けると、すっかり良い子のようにデッキから庭に降りていったのです・・・ただ雪を探していたんですね。レイシーの関連づけは「雪の上」で、私が教えていたと思っていた「庭の奥」ではなかったのです。雪解けの季節になるとこの話をジョークのように思い出します。雪がどんどんなくなっていくと、レイシーは庭の日影で雪が残っている場所をさがすためにかなり遠くまで行かなければならなかったのです。春が来て、芝の上でも大丈夫なんだということを学びました。


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