Pet Dog Training TIPS Vol.3
<2005>No.11

クリッカートレーニング

クリッカートレーニングは科学に基づいた人と動物のコミュニケーション方法です。動物園、映画撮影、水族館などプロの動物トレーニング業界では長年使われてきました。犬のトレーニングでも近年良く使われるようになりましたね。

 トレーナーの集まるワークショップで、著名なインストラクターであるカレン・プライア-がクリッカートレーニングを始める簡単な方法を紹介していました。このニュースレターを読んでいるような皆さんは、すでに一般的な犬の飼い主よりトレーニングに興味のあるかたばかりでしょう。ですからもし今使っていなくてもすぐに使うようになるはずです。科学またはクリッカーという「ハードウェア」は一貫性のあるものです。その科学をあなたが使う方法、つまり「ソフトウェア」部分がさまざまな形になるわけです。これは非常に機能的な道具なので、その使い方を復習してみましょう。あなたがクリッカーのことを何も知らないという前提で順序だてて説明していきます。

1. クリッカーを押して音を立ててください。そうしたらトリーツを出します。クリック音が先でなければなりません、トリーツをあげる準備をしながら鳴らすのではありません。クリックを約束と思ってください。ホットドッグのきれはしなどを小さくてちぎったおいしいトリーツを使いましょう。
2. 行動に対してクリッカーを鳴らしトリーツを出すのであれば、望んでいる行動を取っている間にならします。その行動が終わったあとではありません。クリッカーはタイミングがすべてです。犬はクリッカーの音を聞くと行動を止めてしまうかもしれません。それでもかまいません。クリッカーは行動の終わりを意味するのです。クリッカーを鳴らした直後にトリーツをあげましょう。ただクリッカーは鳴らすタイミングのほうがはるかに重要で、トリーツをあげるまでの時間はそれほどではありません。
3. 犬があなたが好む行動をしたらクリッカーを鳴らしましょう。オスワリなど、犬が自分から好んでするようなオスワリなど簡単なものから始めてみましょう。
4. クリッカーを鳴らすのは1度だけです。ある行動に対して特別なご褒美を出したいのなら、クリッカーを鳴らす回数を増やすのではなく、トリーツの数を増やしてください。
5. 練習時間は短めに。犬は5分間のセッションを3回繰りかえすほうが、1時間たいくつなセッションを続けるよりもよく覚えます。
6. 良くない行動をクリッカーで直していくこともできます。例えばごあいさつの時ですね。お客さんに前足をかけてとびついている時ではなく、4本とも足が床についているときに鳴らしましょう。
7. 何か教えようと思う行動があるならば、自発的に(偶然でも)その行動をに近い動きをしたらクリッカーを鳴らします。そのあとは、犬がまたクリッカーを鳴らせるような行動をするか待ってみましょう。もし見せないようであれば、手助けをするためその行動をみせるような誘導を始めは使います。
8. 完璧な行動を求めようとクリッカーを鳴らすのを待たないでください。正しい方向に向っているなら、それにいたるまでの小さな行動を切り取ってクリッカーを鳴らしトリーツをあげましょう。犬にオスワリをして欲しければ、背中を丸め始めた時にクリッカーを鳴らします。そうするとトリーツをもらおうとその姿勢をやめてしまいますが問題ありません。
9. ゴールを徐々に高めていきます(これをシェイピングと呼びます)。良い反応例えば“犬が自発的に繰り返し座る”が出てきたらさらに要求度合いを高めます。今度は犬がその姿勢をほんの少し長く続けていられるか待って、そこでクリックしトリーツを与えます。
10. クリッカーで何かを教えるようになると、犬が自分から飼い主にクリッカーをならさせようと、すばやく行動を見せるようになります。こうなってきたら、言葉やハンドシグナルのようなキューを教え始めます。キューを出し、犬が行動を見せたら、クリックしてトリーツです。クリックとトリーツでその行動は(その回は)終了です。キューを出していないのに行動をみせても無視してください。

今後もこのトレーニングチップスの中でクリッカーを使って、犬に行動を教える方法をいろいろと紹介していきます。


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