Pet Dog Training TIPS Vol.3
<2005>No.1

バッチフラワーレメディ

 私達の暮らしでもストレスが増えていますが、犬の暮らしでも同様の現象がみられます。分離不安、噛みつきによる破壊行動、資源を守る、自傷行為、強迫観念障害や攻撃性といったよくある問題行動のきっかけがストレスである場合が多いのです。犬のストレスを減らす方法はたくさんあります。私が主に使うのは、ストレスの原因(きっかけ)を取り除いたり、系統的脱感作という手法です。最近日本で多くの人たちからバッチフラワーレメディについて質問されます。私の友人であるドン・ハンソン氏が、2003年にアメリカで初のバッチ財団登録プラクティショナーになりました。彼は動物のストレスを減らすため日常的にバッチフラワーレメディを使っています。今回の内容はバッチフラワーレメディを勧めるためでも、宣伝をするためのものでもではなく、こういった物が存在するということを皆さんにお知らせするためです。犬の身体的および精神的健康に関することは常にかかりつけの獣医師と対処するようにしてください。

 英国の医師であるエドワード・バッチ博士が1900年代初頭にバッチフラワーレメディを発見しました。バッチ博士はストレスと免疫システムと体の健康には関係があると確信しました。感情の状態に対処することとストレスを軽減することにより、体の病気を治すことができると学んだのです。1930年代にバッチ博士は、それまでの医療から、残りの生涯を感情のバランスを保つ助けとなる自然で無害な調合方法を探し出すことに費やしました。バッチ博士は37種の花からとれるレメディを発見しました。また、いくつかを組み合わせた緊急の場合に使えるレスキューレメディというものを開発しました。

 バッチ博士はレスキューレメディでもっとも良く知られています。5つの単独のレメディから作られています。チェリープラム、クレマティス、ホウセンカ、ロックローズそしてスター・オブ・ベツレヘムです。レスキューレメディは、特に緊急時やトラウマ的な状況にあわせて特に作られたものです。ペットホテルやトリミングサロンに預ける前によく使います。バッチ博士の38のそれぞれのレメディは、ある特定の気持ち、雰囲気、感情の状態にあわせて使用されます。あまりに刺激の強い嫌な精神状態を、前向きな明るい気持ちとバランスがとれるように使うのです。例えば、ハンソン氏はミムラスのレメディを男の人が怖いという犬を扱う時に使うそうです。ミムラスは恐怖心を消し去り、犬に自信と勇気を与えるので、不安をなくすのに役立つということです。レメディは、ある雰囲気をやり過ごすために個別に使ったり、個々のタイプや状態に対処するのにいくつかを組み合わせて使うことも多いです。

 バッチ博士は、人にも犬にも個別に対処しなければならないといいます。同じ問題でも、個人により、必要なレメディの組み合わせを変えなければなりません。身体的な病気を扱うレメディはありません。バッチ博士のレメディは感情の状態のみに効果を与えます。しかし、この後ろ向きな気持ちやストレスを解決することで、体の状態そのものがよい方向へ向かっていくことになるのです。したがって、バッチフラワーレメディは身体的な病気の回復にも役立つわけです。

 愛犬のためにバッチフラワーレメディの適切な使用を考えるのであれば、犬のいる環境を含めて個々のかなり詳しいプロフィールが必要になります。

 犬に関するほとんどの問題行動は長期間かけて対応する必要があります。分離不安、攻撃性などのよくみられる問題がその場の雰囲気だけということは少ないです。こういった問題への対処はたいてい7種類レメディの組み合わせを用います。ハンソン氏は、バッチフラワーレメディと同時に問題行動修正プログラムを行なうことを勧めています。両方向からのアプローチが相乗効果をもたらします。ハンソン氏の治療院では2週間もあれば問題が解決してしまうものもあれば、数ヶ月かかる場合もあるといいます。バッチフラワーレメディは、人も動物も感じるストレスを軽減する役に立つ優しく安全な方法です。バッチフラワーレメディに精通してる獣医師が日本にも数人います。


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